成年後見人

家庭裁判所で選任された成年後見人に不満がある、変更したいというお悩みをお持ちの方は多くいらっしゃいます。被後見人やご家族に不利益をもたらすような後見人には、辞めてもらいたいと思いますよね。

一度選任された後見人は、個人的な理由では簡単に辞任したり、解任することはできません。しかし、後見人自身が高齢になってしまったり、不正や怠慢等の解任事由に該当しているのであれば、それを理由に家庭裁判所に辞任や解任請求を申請することができます。

実際に、被後見人の財産の使い込み等が原因で解任された後見人も多く存在しています。後見人の解任は難しいと諦めてしまう前に、自分にはどのような打開策があるのか、まずは弁護士等の専門家へ相談をしてみましょう。

後見人になるためには、特別な資格は必要ありません。弁護士や司法書士などの専門家が選任されることもあれば、被後見人の親族が選任されることもあります。後見人が親族の場合と専門家の場合とでは、お悩みの内容や変更するために必要な手続きも異なってきます。

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成年後見制度とは

成年後見制度とは、障害や認知症で判断能力が十分でない方が不利益を被らないよう、保護するための制度です。

この成年後見制度は、家庭裁判所に申立てを行い、判断能力が不十分な方を保護する成年後見人を選任してもらいます。この後見人に保護してもらう方のことを、成年被後見人といいます。

→詳しくはこちら「成年後見制度について
 

成年後見制度に多いお悩み

成年後見人が親族の場合に多いお悩み

・後見人が被後見人の財産を使い込んでいる
・家庭裁判所の許可を得ずに、被後見人の居住用不動産を売却した
・後見人自身が病気や高齢になり、後見業務が困難になった
・転勤や引越し等で後見人と被後見人の居住地が遠方になった

成年後見人が専門家の場合に多いお悩み

・被後見人の意思に関係なく施設に入所させられた
・後見人がほとんど面会に来ない
・共に生活をしていた家族の生活費が大幅に制限された
・後見人と親族の意向が合わない

上記のようなお悩みをお持ちの方は多くいらっしゃいます。しかし、解任したい理由を家庭裁判所に伝えるだけで、簡単に変更や解任ができるというわけではありません。

 

成年後見人の変更や解任が認められる事由

後見人になった親族や弁護士等の専門家と意向が異なったり、個人的に不満があるといっただけでは、変更や解任事由として認めてもらうのは困難です。後見人と話し合い、辞任をしてもらうのも一つの手ですが、一度選任した後見人を家庭裁判所が無条件で辞任を認めてくれるわけではありません。

後見業務に支障が生じると裁判所が判断した場合など

引っ越し、認知症【イメージ】

選任されている後見人や被後見人が、仕事や家庭の事情で遠方に引越しをした場合や、後見人が認知症などの病気になってしまい後見業務の継続が困難な場合であれば、新たに後見人を選任することがあります。

しかし、このような場合でも必ず新たに選任されるというわけではなく、後見業務に支障が生じると裁判所が判断した場合に新たな後見人が選任されることになります。

被後見人の財産の使い込み等の不正がある場合など

成年後見人の不祥事

解任請求が認められる事由の大半は、やはり被後見人の財産の使い込み等の不祥事がらみです。親族の後見人だけでなく、弁護士等の専門家による財産の使い込みも実際に発生しています。

しかし、被後見人を保護するためにも後見人は必要不可欠な存在です。そのため証拠もなく疑わしいというだけで解任請求をしても、家庭裁判所に解任請求を認めてもらえずに棄却されてしまいます。解任請求を認めてもらうためには、しっかりと証拠を集める必要があります。

 

成年後見人の解任事由に該当しない場合の対処法は?

解任事由に該当しなかったり、家庭裁判所に解任請求を棄却されても、他に打つ手がないというわけではありません。具体的に以下のような方法があります。

後見人の追加選任

後見人の追加選任

一般的にはあまり知られていませんが、後見人は1人だけしか選任できないわけではありません。状況に応じて、財産管理の後見人と身上看護の後見人など、後見業務を分担して選任することもあります。

既に選任されている後見人の解任が困難であれば、現状を打破するために後見人の追加選任の申立てを行ってみるのも一つの手段です。

許可の審判

許可の審判

被後見人の財産の保存は後見人の重要な業務の一つです。しかし、後見人が選任されたことで、それまで被後見人の財産に依存して生活をしていた親族の生活費が大幅に制限されてしまうことがあります。後見人に生活費が不足していることを相談しても、聞く耳を持たない人も少なくはありません。

このように後見人に認めてもらえない場合に、許可の審判を申立て、家庭裁判所に直談判をすることができます。

監督処分

監督処分

後見人の言動に不信感を抱いて、後見人に情報の開示を求める方は多くいらっしゃいます。しかし、話をそらされたり、被後見人の個人情報となる等の理由で、詳細を開示してもらえないことが大半です。

このような場合に、後見人の問題点をまとめて家庭裁判所に監督処分の申立てを行うことで、家庭裁判所が後見人の業務状況の調査や注意を行ってくれます。

懲戒請求

懲戒請求

選任されている後見人が弁護士等の専門家の場合には、懲戒請求を申立ててみるのも一つの手段です。後見人である前に、弁護士や司法書士として相応しくない言動があれば、後見人の所属する弁護士会や司法書士会に申立てることで、後見人の調査を行ってくれます。

しかし、懲戒請求を申立てることで後見人との関係が悪化する事もあるため、必ずしも状況が改善する方法とは言えません。

 

成年後見人の変更や解任は簡単にはできない

一度家庭裁判所が選任した後見人は、意向の不一致などの個人的な理由や、証拠等がなく事実確認が出来ない状態で変更や解任を認めてもらうのは極めて困難です。家庭裁判所に後見人の解任等を認めてもらうためには、具体的な理由とそれを証明するための証拠や申立書が必要になります。

しかし、自分が何を申立てるべきなのか、その際に証拠になるものや申立書の効果的な書き方など、専門的な知識が無くては判断が難しいものです。家庭裁判所に申立てを認めてもらい、現状を打破したいという方は、しっかりと弁護士等の専門家に依頼をして申立てるのが望ましいでしょう。

 

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